マルチパーパスなショットガンは存在するのか?

with コメントはまだありません

最近、よく受ける散弾銃に関するご質問です。

「今年、所持許可を受けて、狩猟を始めたいと思っている初心者です。散弾銃を探しているのですが、大物猟用の交換式ライフルドチョークと普通のスラッグ弾が使える銃身付きで、それと鳥猟やクレー射撃のトラップとスキートが出来るよう交換チョーク式のリブ付き銃身があると良いです。オススメの銃は何かアドバイスをお願いします」

結論を言ってしまうと、そんな万能な道具としてのショットガンはありません。全く無いと言ってしまうと身もふたもないのですが、あると言うと嘘をつくことになります。

最初の銃を選んでいる最中の初心者の方はSNSなどから得たネット情報で頭がパンパンになった状態で当店へお越しになります。そのコリに凝った頭を揉みほぐすのがガンルームシモンの仕事です。

まずはお客さまが、どこで、どんな狩猟or射撃をしたいかを聞いてみます。住んでいる都道府県や年齢、仲間の有無も重要です。さらに乗ってるクルマの車種やファッションなども関係します。そしてご予算です。

ある程度、目的が絞られてくるとその人に向いた銃のモデルがはっきりしてきます。レミントン、モスバーグ、ハッサン、ベレッタ、ベネリ、ブローニングなど、好みのブランド、デザインからお選びいただけます。

当店では、自動銃ならハッサン エスコート コンボになります。

ハッサン エスコート コンボ20GA

ポンプアクションでしたらレミントン 870、もしくはモスバーグ M500がオススメです。

レミントン 870 コンボ
モスバーグ M500

スラッグ銃身については、サボット弾が使えるハーフライフルか、通常のスラッグ弾を使う平滑銃身なのか、どちらかを選択する必要があります。ランニングコストがかかるサボット弾を使うような狩猟シーンがあるか否かです。内地でグループ猟をする場合にサボット弾は必要がないですが、単独で流し猟をする場合に100m前後の距離で威力を発揮します。

ベレッタやレミントンの中古銃をお探しの方で、スラッグ銃身の中古はないかとよく聞かれますが、ほとんどありません。鹿や猪が増えたのは最近のことで、いまから15年くらい前までは鳥猟をするハンターが圧倒的多数を占めていました。そのためスラッグ銃身の需要は少なく、いま市場にある中古銃では9:1の割合でリブ付き銃身の銃になります。

1挺の銃で何種類もの目的を実現できるというマルチな銃があったとして、それはどれも中途半端で使いにくいものになるでしょう。狩猟なら狩猟専用の銃、クレー射撃ならトラップ or スキート専用の銃を決めて、それぞれTPOに合わせた使い方をすると良いです。使用する用途、目的をしっかりと説明すれば所轄警察署の生活安全課銃砲担当さんも2挺の猟銃を所持することを理解してくれるはずです。